ある日見た夢:高校時代
こんなにもバカな夢を見てしまったので、いまでもハッキリと記憶に残っている。
これがゲームにならないものだろうかと思ってしまうほどのイカレた世界だ。
勇気のある人はゲームにしてみよう。要相談。
校内が戦争になっていた夢を見たことがある。
ただ、普通の戦争ではない。
武器・防具が本来そのような用途では使われない、といったものばかりだったのだ。
黒板消しは手榴弾だった。チョークのつまった箱をあけると、ミサイルランチャーになった。シャープペンはレーザー銃になった。ボールペンを地面に突き刺すとロケット花火のように飛んでいった。体育倉庫のあらゆるボールは投げつけると爆発した。メガホンや拡声器は火の玉を吹き出した。頭がいいヤツはロケット鉛筆を束ねてガドリング砲を作っていた。定規を打ち出す銃を作っているヤツもいる。
チョークなどが大量に保管されている職員室・3年担任室(3担)は一大武器庫と化していた。教師が使う巨大分度器、三角定規は楯になっていた。巨大なコンパスはチョークを飛ばすバズーカ砲になっている。コピー機からカッターのように連続で紙を打ち出すヤツもいた。
何故か文系部員に全力の高いものが集まっているようだ。地学部所有のプラネタリウムはシェルターになっているし、物理研究部の力学台車は高速移動で敵を追尾する爆弾ミニカーになっている。
普段は地味な科学部員は、強力な武器を持っていた。
試験管のゴム栓を取ると稲妻が飛び出した。シャーレからはレーザーが放たれ、丸底フラスコにゴム管とガラス管を繋ぐとバーナーになった。両皿天秤の分銅は小粒ながらも強力地雷。踏むととたんに大爆発。
美術部員達は戦闘力が高いため、皆に重宝されている。
スケッチブックに絵を描き、ページを破って宙に投げる。すると、ページの絵が飛び出して敵を襲う。点と線でできた炎にふれると火傷してしまうし、紙でできたような水にふれるとちゃんとズブ濡れになる。キャンバスは楯にもなるし、イーゼルは筆と組み合わせてボウガンとして使われていた。
B紙に洞窟の絵を描き、廊下を塞ぐものもいた。その洞窟に入れてしまうからだ。もちろん中は2次元ながらもちゃんとした迷宮になるように作られている。
敵の侵入を防ぐため、廊下での攻防は熾烈を極める。
セロテープを廊下に貼ると、その上を通ったヤツが全員転ぶ。足留めには最高と、皆がこぞって使った。
消しゴムで廊下をこすると、こすった部分が消失し始めた。透明部分の上を通過しようとすると、そいつも廊下もろとも消えてしまう。
……このとおり、校内はもうしっちゃかめっちゃかだ。あまりの大混乱に戦況もよく把握できない。
このままではラチがあかないと思った僕は、生徒会室から掃除機を取り出した。
普段は生徒会室にはないはずの掃除機、これぞ究極のリーサルウエポン。何故か家にあるものと同型だ。
僕がまたがると、掃除機はコンセントを繋がずとも始動し、空高く舞い上がった。
掃除機の吸込口から強烈な波動砲が発射される。校庭に向かって打ち出されたそれが、校舎全体を白く包んで……目が醒めた。
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