解放

新しい世界へダイブした直後の気持ちでした。

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僕を呼ぶ声がする
遠くで

「あなたの見ている世界は、とても狭くて小さい
　こっちへおいで
　あなたにもっと広い世界を見せてあげたい」

小さく冷たく固まってしまった僕は
ひとりで泣くことしか知りませんでした

いろんなひとが
僕を助けてくれました
たくさんのひととひととのつながりが
僕に勇気をくれました
泣くことしかできない毎日を
変える力をくれました

ある日
ついに僕は解放されました
そして今までの何倍も自由になって
新しい世界へ踏み出しました
この先どうなるのかまったくわからない
安定なんて言葉とは縁遠い
そんな世界へ

時折
昔の夢を見ます
そして
夢の中で
僕は泣いています

もう
思い出したくないのです
昔なにがあったのか
どんな思いをしてたのか
すべてがいい経験だと思えるようになるまでは
過去を振り返りたくないのです

「忘れよう　みんな
　思い出さなくてもいい
　もう泣く必要はないんだよ」

やさしい声
まるで
ゆっくりと
空から降ってくるような

今の僕には
前に進む力が必要なのです
今が
未来が
明るく見えれば
それでいいことにさせて下さい

今は幸せなことだけを
考えさせてやって下さい