夜桜天使

フェアリナーサのPC-98CG集に同タイトルの春麗画像を描いたような覚えがあるけど、もう手元になくて。
だいぶ前に実家で見つかった過去原稿は2次創作ではなくオリジナル作品で、白と黒の翼で埋められていた。
天使に一目惚れする詩みたい。
天使の幻術にかかっているのは、悪魔のようだ。

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まだ春間もない真夜中に
僕は
ひとりの天使に逢った

天使は
まだ花もない桜の梢に腰掛けて
僕を見下ろす
初めて見た天使に
僕は自分さえ忘れて

天使が僕に微笑む
天使のその笑みと共に
桜花が目を醒ます
初めて見た桜に
僕は自分さえ忘れて
初めて見た天使に
僕は自分さえ忘れて

どのくらい見ていただろうか
桜の見せた幻が
天使の微笑が
僕を魅きつけてやまない
突風の起こした桜吹雪の中で
僕は自分さえ忘れて
初めて見た桜に
僕ハ自分サエ忘レテ

まだ春間もない真夜中に
僕は
ひとりの天使に逢った

桜は
もう散ってしまったけれど